目先の感情を優先するモードに入って、感情表現のエフェクトを度外視する人って多いんだよね。怒りなんかもそう。「怒ることで得られる結果」よりも「スッキリすること」が優先されがちなんだよ。そういうのは絵に描いたような短慮だと思う。怒りという表現を効果的に扱うには、しっかり頭を使わなきゃならんのよ。オーディエンスから支持を得られない怒りは理不尽と解釈されるし、滑稽に思われもするし、結果的に他者から遠ざけられる。「強要する人」だとか「話の通じない人」といったレッテルを簡単に貼られてしまう。どう考えたってセンシティブに扱うべき表現だ。これを気分で扱うなんてどうかしているよ。
ネットでのレスバなんかも同じ。「言わずにはいられない」は大抵の場合、言わない方がいい。言わずにはいられない発言には計算がない。吐き出して気持ち良くなることが目的化している。これでは「興奮したからシコりました」ってのと大差がないし、その結果として吐き出されたザーメンを見せられる者への配慮がない。
怒る前には頭を使うべきだ。頭を使えない人は普通に嫌われる。思慮なくキレ散らかす人は「ああ、そういう人ね」と言われて遠ざけられる。
ちなみに、僕はこのテキストをアンガーコントロールのために書いている。
そうだよ! 僕はいま、怒ってるんだよ!
怒るからには、それ以上の得をせねばならぬ。