戦前から一次ベビーブームが落ち着くまでの生涯未婚率は男女共に5%もありませんでした。一世紀前は結婚をするのが常識でしたからね。今みたいに“しなくても良いもの”ではなかったのですよ。
結婚をするのが常識という社会においては、家のためやら世間体のために相性などそっちのけで結婚を優先することもありましたから、反りが合わないカップリングにより多くの問題が引き起こされました。そんな仕組みでも維持できたのは、家父長制があったからです。
戦後、我々は文明人として一歩進んだ価値観を身に付けました。「嫌な奴とは一緒にならなくても良い」という今風の考え方を持ち、その通りに生きる自由を手に入れました。選択の自由の代償は“選択されないもの”を生むことですから、結婚しない自由を得た代償として未婚率が上昇するのは当たり前でしょう。結果として“みんなが嫌がる奴”は誰とも一緒になれなくなりましたけど、それはもう、しょうがないとしか言えません。
既婚者がこんなことを書くとまるで未婚者を見下しているように思われるでしょうが、幸いにも僕は“みんなが嫌がる奴”の側にいる未婚者ですから、こうしたことを書ける特権を無駄に振りかざしていこうと思います。こんなことを書き殴ったとて解決する問題などありませんが、「女が悪い」みたいなことを本気で抜かすアホには釘を刺せるかも知れません。「女が悪い」は僕も言いますが、僕には自覚がありますからね。みんなに嫌がられるのも当然なのですよ。