「嫌い」が増えた。……というか、ほぼ嫌い。


僕は昔から、……それこそ十代の頃から、踊らされる奴が嫌いだった。文化祭で学校の人気者たちが誰かのコピーを演っているさまを見てワーキャー言うような連中なんてゴミの中のゴミだと思っていたし、なんなら演る方のメンタリティーもカスみたいなもんだと思ってた。コピーでイキるだけでもダサいというのに、そんなものに踊らされるなんてのは人として終わってる。……と思いながらも、僕は踊った。「やってみると存外楽しいのかも知れない」と思ったからだ。始めてみてすぐに「うーん、違うな」と思った。何をどうすれば楽しく感じられるのかがまるで分からない。ただただ、バカみたいだなと思った。そう、「バカみたいだ」の一言に尽きる。踊るのをやめて振りかえってみると、スクールカースト4軍の仲間たちが「おまえマジか」みたいな目で僕を見ていた。気持ちは分かる……が、理解して欲しい。僕は「一度やってみるタイプの人」なのだ。「踊る奴はゴミ」という結論は変わらないにしても、僕には実体験の裏付けがある。だから、食わず嫌いとは言わせない。ちゃんと、一度口にしてから吐き出している。

踊らされる奴と一言で言っても、文化祭のステージで踊る奴から、著名人に心酔する奴から、ゴシップに踊らされる奴まで様々だけど、いずれにおいてもそいつらは自分の足で立ってない。自分の指揮を他人に委ねてる。そこに良し悪しなどないのだろうけど、僕はその手の連中が嫌いだ。だから、その手の連中で溢れてるSNSも好きじゃない。ああいうものを見ていると、目と脳が汚されるように感じる。僕らが本質的に孤独だってことは変えがたい事実ではあるけれど、つまらんことで群れるのではなく気高くあって欲しいもんだね。立って、考えて、歩いて欲しい。犀の角だとか僕のおちんちんのようにね。もちろん、これは僕個人の好悪を書いているだけであって、正義の話などではまるでない。ただ、路肩のゴミが目に付きすぎるという愚痴を書いてるだけなんだよな。誰に宛てるでもなく、この僕が、ちょっとだけスッキリするために。

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