不倫以前にパートナーがいない僕にとって、不倫など対岸の火事である。
それなりの著名人が不倫によって俗物のレッテルを貼られ転落するさまを眺めるのは痛快だ。
僕はそうした著名人とは縁もゆかりもないのだけれども、「謝罪してください」とネットで騒げば、どういうわけか謝ってもらえたりもする。
何ら被害を受けていないにもかかわらずノーリスクで著名人を責めることができて、土下座までしてもらえるのだから、こんなに楽しいことはない。
……と、露悪的に書いてみたけれど、不倫を肯定したいわけでもない。不倫をする奴も、それで騒ぐ奴も、等しく下衆だ。
著名人の不倫が殊更に嫌悪されるのは、潔白なイメージを売っている反動によるところが非常に大きい。
そして、不倫によって毀損されたイメージは謝ったところで拭えない。
飢えた人が食べ物を盗むのとは違い、不倫に同情を集めるためには相当な事情が必要になるから言い訳をするのも難しい。
謝罪を求める人々は謝られたら許すのが筋だと思うが、おそらく、誰にも許す気などない。
ゆえに、謝罪など茶番だ。不倫をした著名人の命運は、幻滅された時点で既に尽きているのだ。
それでも、藁にでも縋るかのように謝罪をするアホをみるのは面白いから、僕らはネットでの弾劾を続けるわけだよ。
償うてください、償うてください。