達観の裏側。


僕はたびたび悟ったかのように「人生なんて、こんなもんだよね」みたいなことを書いてしまうんだけど、これは自分でも格好つけていると思う。内心では「うわぁああああん! たいして良いこともないままおじいちゃんになっちゃう! どうすればいいの?!」みたいなことを思っていても、気づけば「ま、これが人生だよ。こんなものだよ」と書いている。そればかりか「元からダメな人間だったわけではなく、選択的にダメな人間を装っていますよ」とまで書いていたりする。そのような欺瞞に読み手を付き合わせるのは申し訳ないので、この際だから白状しておくが、それらのテキストは読み手ではなく自分に向けて書いている。自分に向けて“受け入れがたい現実を承服させるための説得”をしているさまを、共有しているに過ぎない。もとより、このブログのエントリーの大部分は日記からの切り抜きなのだから、そもそも私的なものなのだ。ブログに書いてあることは「本心へ向けた説得」であって、本心ではない。また、長きにわたり説得を続けているにも関わらず、僕は今に至るまでこの現実を少しも受け入れることができていない。ゆえに、本心であるわけがない。

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