「自動生成の迷路はつまらん」って話。


タイトルの件については以前から「そのうち書く」と言っていて、今となっては既に書いた気にさえなっていたのだけれども、調べてみると書いていなかったので、この際ちゃんと書いておく。さしあたり考えてみて欲しいのは、これを面白いと思えるかどうかだ。

Link: 自動生成した迷路

迷路の分岐における選択は序盤こそ運試しになるけれど、ハズレを引くたびに正しいルートの予想がそれなりには出来るようになっていく。とは言え戦略性は乏しいし、その戦略性さえもゴールの位置が分かっているという前提の上に成り立っている。コンピューターゲームにおける自動生成ダンジョンは概ね迷わせるという目的でのみ用いられる。それによって“リプレイ性”と呼ばれる何かを確保した気になることはできるが、そこで満足してレベルデザインを放棄してしまう場合さえもある。自動生成のダンジョンそのものはストレスに満ちた箱庭に過ぎない。それ自体が面白いなんてことはない。迷路を面白くするためには、面白く迷わせる工夫が必要になる。ローグライクやローグライトと呼ばれるジャンルのゲームは、ダンジョンを面白くするために、多様なバイオームやらイベントやらを盛って、そのつまらなさに向き合っている。他方、プレーンなダンジョンを「はい召し上がれ」と差し出してくるゴミのようなゲームも多く存在している。自動生成の迷路を使ったゲームは遍くつまらないと言いたいのではない。僕が言いたいのは、自動生成の迷路“そのもの”はつまらないってことなんだ。個人的に迷路が嫌いなわけでもない。ガキの頃にはランズボロー迷路に憧れて方眼紙に迷路を描いていたのだから。手書きの迷路は面白い。ギミックを仕掛けることだって出来る。残念なのは、やるよりも作る方が面白いという点だ。僕が生産する迷路の供給量に対して、需要者は非常に少数だった。学級新聞に載せてみたところ、数人は遊んでくれたみたいだけど、それにしたって学校という退屈な空間における暇潰しとして辛うじて機能していたに過ぎない。多様な娯楽がある現在においては、自ら進んで迷路を解きたがる奴など昔よりもずっと少ないと思う。ちょっとした時間ができた時に「よーし迷路を解こう」と思うような奴が仮にいるとしたら確実に変人だもんな。

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