かつて僕が制作したゲームの主人公である堂浦君は「ダメ人間グランプリの2位」を自称しました。
「本当にダメな奴は何をやっても1位になれない」と考えた結果、そのような結論に至ったわけです。
しかし最近になって僕は「堂浦君には配慮が足りていない」と考えるようになりました。
上には上がいるように、下にだって下がいますから、きっと世の中には堂浦君を見て「俺よりマシじゃん」と思う人がいると思います。
堂浦君が2位に居座ってしまうと、堂浦君よりもダメな人の順位は必然的に1位となります。
1位となってしまった人は「自分よりもダメな奴だってどこかにいるはず」という期待を持つことができません。
これはよろしくありません。
堂浦君よりダメな人にも「自分こそが最底辺である(1位)」もしくは「辛うじて最底辺ではない(2位)」のうち一方を選ばせてあげることができるはずです。
この考え方に則るならば、1位と2位は永久欠番とすべきです。
自分を最大限に卑下する場合においても、自称するならばせいぜい3位でしょうね。
それが、底辺におけるマナーってもんです。
9段階評価(上の上・上の中・上の下・中の上・中の中・中の下・下の上・下の中・下の下)の場合も同じです。
「下の下」と「下の中」は欠番として「下の上」あたりを自称するのが、ダメな方向における正しい謙遜の作法となり得るのではないかと思うのです。
もちろん、人様から言われる分は別ですよ。
「おまえは下の下だ」と言われたならば、「ありがとうございます」と答えるまでです。