情報は漏れる。

日本では現在、凄まじいペースで情報の漏洩事件が起きているようです。攻撃にはGLMが使われているのではないかと言われています。このような事件は世界中で起きていると思いますが、他国に比べて日本のITは殊更に脆弱であるとも聞きます。これは、おそらく事実です。

日本の企業の多くはセキュリティーに予算を割いていません。大して割いていないどころか、全く割いていなかったりします。僕の経験上、システムというものは開発以上に保全の方が手間です。OSのアップデートは頻繁にありますし、アップデートを行うたびにシステムの挙動をチェックする必要もありますし、そこで問題が発見されたならば対応する必要も生じます。これらを、月ごとどころか週ごとどころか、場合によっては数日置きにやるわけですよ。当然ながらコストが掛かるのですが、そのコストを当然に支払うべきものであると考える企業はそうありません。重大なインシデントが生じてようやく、後悔するはめになるわけです。

しかし、セキュリティー担当者がどんなに頑張ったとて、攻撃の試みを完全に防ぎきれるものでもありません。いわゆるセキュリティーパッチというものは既知の脆弱性への対応であって未知の問題には対応していませんし、アプリケーションの側にある脆弱性は開発者の側で塞がなければなりません。意識の高い企業はハッカーを雇って自らのシステムを攻撃させるなどして脆弱性の発見に努めていますが、そこまでしても完全とは言い切れないのです。それらは「侵入される可能性を可能な限り減らす努力」であって、安全を保証できるものではありません。ゆえに、入られることを前提とする備えというものが必要になるのです。

どうやら多くの企業は個人情報には価値があると思い込んでいるようですが、僕の認識は違います。個人情報は資産ではなく負債です。守り通すには十分なコストを支払い続ける必要がありますし、守れると言い切れるものでもありません。それが真に必要なものでなければ、そもそも持つべきではないのです。ところが、バカは情報を取りたがります。理由は文字通り、バカだからです。

仮にサーバー単位で万全の備えをしたとしても、それで安全が確約されるわけではありません。クラウドのハイパーバイザが侵されるなどした場合、クラウド内のサーバーは使い物にならなくなりますし、中身だって当然に読まれます。助かる道はリージョンをまたいでの冗長化およびエンベロープ暗号化ぐらいしかなさそうですが、全ての企業がそのような対策をしているわけではありません。さらに言うならばそのエンベロープ暗号化にしたって、「かなり安全」と言うことはできても、絶対に安全とは言えないのです。なお、この草稿をLLMに読ませたら「メモリ暗号化も要る」と言われました。その通りです。

何が言いたいかと言いますとね。端的には「金を使え」ってことですよ。加えて、「どんなに金を積んだとて限界はあるぜ」ということです。サービスを利用する側も「漏れる可能性はゼロにならない」ということを覚えておいた方が良いと思います。

ところで、セキュリティーの専門家でもないのにこんなエントリを書いてる僕って一体何屋さんなんだろね。

ネットワークセキュリティーは常に「何かを見過ごしているのかも知れない」といった不安と共にあるわけですが、「頑張ってリスクを抑えています」と言っても中々理解されないんですよね。多くの人は二分法的に(「言い訳なんか聞きたくない。結局、侵入されたじゃないか」といった風に)物事を評価しますから、「そんだけやってダメだったなら仕方ない」と思ってもらうのは大変そうです。このような行き違いは無理解から生じているものですから、今回の漏洩騒ぎを経てセキュリティーに対する知見の底が上がってくれると良いのですけどね。

企業が集めた個人情報を一番活かしているのは反社ではないかという考えには同意します。利用者に提示させる個人情報に見合う価値を提供しているサービスが、どれ程あると言うのでしょう。利用者にとっては多くの場合、情報を提供するリスクの方が勝ることになります。真っ当な神経を持つ企業であれば、利用者に不利益を齎しうる情報を「資産」などと見做せるわけがないのです。「最小限の情報は頂くが、本音を言えばそれさえも持ちたくはない」ぐらいに思ってもらいたいものです。

【FANZA利用者が生き残るには】

2015年にアメリカの不倫系出会いサイト「アシュレイ・マディソン」に登録された3,200万人分の個人情報が流出するという大事件がありました。流出元が不倫系出会いサイトということもあり、自死者まで出す大惨事となりました。これは、日本でも起きうることです。仮にFANZAで個人情報やら、それに紐付く購入リストやら、視聴履歴やらが流出した場合、社会的に終わってしまうであろう人の数は「アシュレイ・マディソン」の比ではないでしょう。しかし、既に使ってしまったものはどうにもなりません。アカウントを削除したところで、データベースから全ての情報を消してもらえているかどうかを利用者の側から確認することはできません。よって、開き直るしかないでしょう。利用者は覚悟しておいてください。ちなみにですが、僕自身も既に10万本を上回る数のAVを視聴しています。大抵のFANZA利用者は僕よりマトモでしょうから安心するが良いです。

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