お祭りになるやも知れません。皆さんにはどうでも良いかも知れませんが、僕の周辺は大忙しです。脆弱性の詳細は明かされていませんが、場合によっては漏洩祭りにブーストが掛かると思います。PHPのサイトって多いですからね。
Link: php2shell :CVE-2026-109618 / 109619 RCE脆弱性と生存戦略
お疲れ様でございます。思いのほか大きな騒動になりましたね。僕も6サービスほど対応しました。
世の中にはまだ結構な数の未対応サイトがあると思います。横着のツケをしっかり払わされるのがネットの世界でございますから、頑張って尻を拭ってください。今回を乗り切ったら終わりではなく、更新できない状態を放置してきた運用そのものを見直してください。
まず、WordPressの上に業務システムを作ってしまっている会社さんは、これを機に考えを改めてください。業務システムとWordPressを一蓮托生にしてはいけません。WordPressはCMSであって、業務システムを作るためのフレームワークではありません。PHPにはLaravelといったフレームワークがあるのですから、そういうものを使っていきましょう。責務が異なるシステムの一方が他方の足枷とならぬよう、あらかじめ分離させてください。
また、WordPressに山ほどプラグインを積んで運用している会社さんも、これを機に考えを改めてください。プラグインの作者が皆さんの都合に合わせて保守を続けてくれる保証はありません。プラグインへの依存は、得てしてWordPressやPHPのアップデートの妨げとなります。導入時には無料でも、問題が起きた場合の対応や、使えなくなった場合のリプレースまで無料になるわけではありません。「プラグインが動かなくなるからバージョンを上げない」といった汚物のような言葉を、僕はもう聞きたくありません。
そして、これはそもそもの話になりますが、自社でサーバの保守を続ける体制がないのであれば、運用先を考え直してください。WordPressを動かす程度であれば、オンプレやら仮想マシンやらを使うよりも、大手レン鯖の共用サーバを使う方が安全かも知れません。OSやPHPといった基盤は業者がメンテしてくれますからね。WordPressの保守は必要ですが、自分たちで面倒を見なければならない範囲は幾らか減らせるはずです。共用サーバ以上に融通の利く環境を持ちたいのであれば、その自由に伴うリスクを引き受けなければなりません。自社で引き受けられないというのであれば、それができる所にお金を払いましょうね。
なお、僕はやりたくありません。抱えるサイトを増やすのは(気を張りながら生きていくはめになるため)命を削るに等しいのです。やるにしたって少額で請けられるようなものではありません。
こんなもんは防ぎようがなさそうですね。
Link: 米マイクロソフトが報告「中国系組織がAI自律ツールで世界規模のサイバー攻撃」(ビジネス+IT)
独力でこのような攻撃に対抗するのは難しいでしょうが、せめて以下の3つぐらいはやっておいた方が良いと思います。
① 持たざるを得ない個人情報は必ずエンベロープ暗号化する(可能であればメールアドレスもハッシュ化しましょう)
② 不要な情報を集めない(必要な情報であっても不要となったら直ちに捨てましょう)
③ Originを矢面に置かない(CDN/WAFに一次防衛を担わせましょう)
《①の補足: エンベロープ暗号化を1行で説明》
データを復号する鍵そのものを、外部サーバーで暗号化してしまう方法です。これにより、データベース内の情報だけでは、データを解読できなくなります。
《①の補足: メールアドレスのハッシュ化を2行で説明》
メールアドレスから2つのカラム(それぞれ「ハッシュ化されたメールアドレス」および「可逆暗号化されたメールアドレス」)を作成し、ハッシュ化されたアドレスの方をインデックスとしてください。
ハッシュ化には、ハッシュから元アドレスを推定されない方式を使用してください。具体的には、秘密鍵を使用するHMACのようなものを使ってください。
《③の補足: CDN/WAF <-> Origin間の経路は絞る必要があります》
例えばCloudflareを利用する場合、HTTP/HTTPSの経路は以下のページにあるレンジのみを許可するようにしてください。
Link: IP範囲(Cloudflare)
そしてopensslコマンド等でCA鍵(秘密鍵と証明書)およびクライアント鍵(秘密鍵と証明書)を作成し、Cloudflareの「SSL/TLS → オリジンサーバー → 認証済みオリジンプル」画面内の「ゾーンレベル」もしくは「ホスト名単位」のセクションにクライアント鍵を登録し、サーバーサイドにはCA証明書を設定して接続元を認証してください。
誰が読むんだこんなもん。