デブだった。


実家の風呂場に置かれていた大きな姿見を目の当たりにして僕は全てを理解した。

そこには猫背のデブ(全裸)が映っていたのさ。

自分の全裸を客観的に眺めたことなど無かったから仰天したよ。

太っているという自覚すらなかったからね。

それで、ようやく、納得したのさ。「こいつはモテねえや」と腑に落ちたんだ。

できる努力を怠っていたのだから、自己責任というしかないね。

もっと若けりゃ頑張るけれども、おっさんとなった今では手遅れだから、猫背のデブとして生きていこうと思うよ。

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