Switch2.


税込49,980円というSwitch2の価格を見て「安い」とか「頑張った」と言う人が多くいる。僕も頑張った価格だとは思う。でも、安いとは思わない。世の親御さんたちの懐が子供に5万円の玩具を買ってやれるほど潤っているとは思えないからだ。それでも僕はSwitch2を買うのだろう。ゲームぐらいしか趣味のない、それなりに稼いでいる大人だからね。

それとね。現時点において、この件はあまり指摘されていないようだけど、マリオカートワールドの価格を見る限りにおいて、どうやら任天堂はSwitch2以降のファーストタイトルの価格水準を3割ほど上げてきている。ざっくり言うとゲームのお値段が1万円になっている。僕は1万円帯のゲームに対し物凄く厳しい人なので、余程の期待値がない限り予約することはない。粗を大目に見ることもしない。買うにしても諸々の情報を入念に確認して、石橋を叩いて、叩いて、叩き切ってから買う。ゆえに、これからの僕は任天堂のゲームに対し、より厳しいことを言っていくことになるのだと思う。

フロムソフトウェアの独占タイトルが出てきたのには普通に驚いた。それ以上の驚きはなかったけれど。

【余談】

世の中には「昔よりも開発費が増えたのだからゲームの値段は上がって当然」みたいな論調があるみたいなんだけど、僕は当然だと思わないんだよね。というのもさ、厚労省が弾き出している月間現金給与総額という数字があって、これは変数で加工した実質値などではなく手取りその物の平均値なんだけど、去年の手取りは30年前と比べて上がってると思う? 下がってると思う? とりあえず見てみよか。

1994年 358,445円
2024年 347,994円
※毎月勤労統計調査(事業所規模5人以上の就業形態計)

まず手取りの時点で下がってるよね? それに加えて1994年には今よりも諸々が安かった。電気代も今ほどには高くなかったし、スマホを維持するコストもなかった。携帯電話普及の黎明期ではあったけれども、10万も出して端末を買うような時代ではなかった。ただでさえ30年前よりも手取りは下がっているのだけれども、生活様式の変化やらインフレまで加味して考えてみると、金額の差以上に実態はずっと貧しくなっているのではないかと思う。無い袖は振れないという言葉があるけれど、現代人の袖は30年前よりもずっと短くなっていると思う。どんなに物の値段を上げたところで、無い袖が振られることはないんだよ。「原価の高い商品は高く売って当然」という理屈は分かるんだけど、その理屈に対応できるほど消費者のお財布は大きくないのさ。というわけで僕はね、開発費が高いゲームの利益は価格転嫁ではなくスケールメリットで稼ぐべきだと思っているよ。

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