幼い頃の僕にとって「すごいひと」と言えば、全員が自分よりも年上で、いつか自分もあんなふうになれるのかなって思ってた。
物心つくと同い年の中から凄いことするやつらが現れだした。
たぶん、そのころから僕は「たまたまだろ? 運が良い奴だ」みたいなことを言うようになったと思う。
さらに時が過ぎると年下に凄いやつらが現れだして、いつしかそれが日常になった。
「僕を評価しない世の中が悪い」と思ったことがあるような気もする。
しかし、今となっては認めるしかない。
僕は至って普通なのだと。
幸いにも凡人である僕は、僕より恵まれていない人よりかは恵まれた暮らしをしているのだから、凡人なりの幸せを噛みしめながら生きていきたい。
天の下に全ての人が平等であるなら、秀でた才能を持つ人は、そのぶん酷い目に遭って欲しい。
生まれながらに金を持つ人も、優れた容姿を持つ人も、等しく酷い目に遭うべきだ。
そう心から思うから、成り上がり共の転落は嬉しい。
落ちてこい。ここまで落ちてこい。同情するフリしながら慰めてやるよ。
特別な才能を持つ者は、才能の程度に見合った呪いを背負うことになると思い知ればいい。
【注意】
これを創作と見抜ける人でないと(Hasumogを読むのは)難しい。