お金を使わずに生きたい。


日本人は貧しくなっているそうで、僕の生活も安定していません。かつては「ゲームには幾らでも使う」と言っていた僕ですが最近では慎重を期しております。消費に向けられるお金が減っている以上は何かを切り捨てなければならないのは当然ですから、若者たちは車やらアルコールやらタバコやら果てには子作りにも見切りを付けてしまいました。今や我々は何かを不要とする理由を見つけることに慣れてしまっており、財布の紐を緩められません。「経済を回すために金を使え」と言う人はいますが、大抵の人は将来の安定が担保されなければお金を使いたがりません。「来月の食費には困るかも知れないけど今月は散財しろ」と言われて従う人などおらんのですよ。消費支出を上向かせるには、安定的に収入を増やすか、消費税を撤廃するかしかありません。他の手なんか存在しないんですよ。この国を率いる賢人たちは、このシンプルな結論を避けて通るためにあらゆる手を講じて失敗しています。10万円を配ったって無駄なんですよ。今月10万貰えても、来月は貰えないんですから。今後、万が一景気が良くなったとしても、それが消費性向に現れるまでには数年を要すると思います。お財布の紐を緩めるためには「この好況は続くに違いない」という幻想がどうしても必要になりますから、今の状況を変えるには夢を語る人の出現を待たなければならないと思います。

Closed